2010年5月20日

無煙タバコ「ゼロスタイルミント」の販売中止要請書
財務大臣   菅 直人様
厚生労働大臣 長妻 昭様
国土交通大臣 前原誠司様
屋内外施設管理者 各位
NPO法人 日本禁煙学会
理事長  作田 学
162-0063、東京都新宿区市谷薬王寺町30-5-201
電話 090-4435-9673 ファックス03-5360-6736
【要請】
1. 無煙タバコ「ゼロスタイルミント」の販売中止を要請する。
2. 「ゼロスタイルミント」使用が周囲に及ぼす影響(有害物質の呼出・臭気等)が強く懸念されるため、紙巻タバコ等に準じて、禁煙とされている屋内またはそれに準ずる場所における使用を禁止すべきである。
【記】

無煙タバコ(Zero Style Mint)が東京で試験発売されました。パッケージの表には「かぎたばこの使用は、あなたにとって口腔がんの原因の一つとなり、心筋梗塞・脳卒中の危険性を高めます」、裏には「妊娠中のたばこの使用は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります」横には小さい字で「本パッケージに記載されている製品名の「zero」並びに本製品の性質・状態を表す「無煙」の表現は、本製品の健康に及ぼす悪影響が他製品と比べて小さいことを意味するものではありません」と書いてあります。
 この製品はタバコの葉を使い、いろいろの添加物を加えた、タバコそのものであります。パッケージを開けると強い異臭があり、ニコチンに接した時のように頭痛が起きます。説明書には「本製品の使用中に気分が悪くなる等の症状が生じた場合には、使用をお控え下さい」とあるように、実際にニコチンが相当量含まれているものと思われます。

 ノースカロライナのウィン教授らによる研究では、このように頬粘膜に触れないタイプの嗅ぎタバコを使用すると、嗅ぎタバコ以外には喫煙していない場合、非喫煙者に比べ4.2倍口腔がんが起こりやすくなると言います。さらに相当量のニコチンが含まれるということですが、血管を収縮し、心筋梗塞あるいは脳卒中を発症することも容易に予見できます。口腔がんは転移が速く、また顔が破壊されていく悲惨な癌です。JTは口腔がんとは何か、どういうことになるのかを、これを吸う人にあらかじめ教える責任があります。

 また、当然のことながら、「ゼロスタイルミント」使用者の呼気にはニコチンや発癌物質などの有害物質が吐き出されるでしょう。周囲の人々は知らず知らずの内に有害物質にさらされ、種々の予期せぬ致死的疾患に見舞われる危険にさらされるかもしれません。
 さらに懸念されるのは、この製品が喫煙できない場所におけるニコチン補給器具となり、健康を守るために一刻も早く禁煙したいと望んでいる大多数の喫煙者の禁煙実行を妨げる役割を果たす恐れがあることです。
 また、この製品が相当量のニコチン摂取を可能とするだけでなく、この製品の使用する姿が紙巻タバコ喫煙と同じであることから、こどもたちを紙巻タバコ喫煙に誘い込む役割を果たす危険も大きいと見なければなりません。

 「ゼロスタイルミント」の使用者への有害性は明らかですから、少なくとも使用者周囲への影響がないことが科学的に証明されない限り、周囲に人がいる場所でのこの製品の使用は禁止すべきです。
 これは実に危険なタバコです。ステルス性が強く、呼出された有害物質を防ぎようがないからです。
 私たちは至急販売の中止を求めるものです。
 それとともに、禁煙区域内での使用を決して容認しないようにお願い申し上げます。

以上

参考サイト:JT「ゼロスタイルミント」の危険性をを警告するホームページ