2010年6月11日

紙巻きタバコ類似商品の製造販売使用禁止要請書
厚生労働大臣 長妻 昭様
NPO法人 日本禁煙学会
理事長  作田 学
162-0063、東京都新宿区市谷薬王寺町30-5-201
電話 090-4435-9673 ファックス03-5360-6736

電子タバコ1などの外形的に紙巻タバコに類似した商品は薬事法違反の恐れがあります。
また非常にタバコと紛らわしいため、禁煙区域での使用を禁止するようお願い申し上げます。

1. 禁煙の場所で電子タバコを使う大人の姿は、こどもたちにどのようにうつるでしょうか? タバコを吸わないライフスタイルを次世代に奨励するために締結されたWHOタバコ規制国際枠組み条約(FCTC)に違反しています2

2. 禁煙の場所での電子タバコやゼロスタイル使用は紙巻タバコ喫煙ととても紛らわしいため、非喫煙者と施設管理者に大きな無用なストレスと手間をもたらします。
なかには、禁煙・減煙キットとして、あたかもこれで禁煙ができるかのようにうたっている物もあります。これは薬事法違反と考えられます3。さらに、ハワイ州ではニコチン入りの電子タバコが出回っており、インターネットでも販売していますが、これは明らかに薬事法違反です。

3. 電子タバコ使用で排出される煙(蒸気)に含まれる化学物質の種類や濃度、微小粉塵濃度(PM2.5)などはまったくわかっていません。公正で科学的な第三者機関の測定結果が出ないうちに、他人に害を与えないという製造業者の言葉だけを信じて、禁煙の屋内での使用を可とすることはできません。FDAの予備的な分析によると電子タバコからジエチレングリコールやニトロソアミンが検出されているようですが、これは発がん性が証明されている毒物であります456。さらにアルデヒドを相当量含むということも言われています。

4. 電子タバコ、スチーム・ゼロ・ワン等の商品は禁煙の場所でも使用可能であるという点をセールスポイントとしており、禁煙推進を意図した商品ではありません。また、これらの商品の使用によって、禁煙成功率が有意に高まったなどの科学的データは一切報告されていません。

5. したがいまして、これら一連のタバコを模した産品は、安全性がまったく証明されておらず、また危険性が一部で確認されている以上、これらの市販を許可するべきではないと考えます。ましてや、禁煙区域での使用は禁止するべきです。

以上




1電子タバコは香料などを混ぜた水を内蔵した電池の電力で加熱し、発生した蒸気(vapor)を吸引する商品である。ニコチンを混ぜることもできる。
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&lr=&q=%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%82%BF%E3%83%90%E3%82%B3&revid=1113062038&resnum=1&um=1&ie=UTF-8&sa=N&tab=wi

2FCTC16条1項c
(c)未成年者の興味をひくタバコ製品の形をした菓子、がん具その他の物の製造及び販売を禁止すること。

3禁煙・減煙キットとして販売しているもの。
http://tkj.jp/book/?cd=60744401
一部の業者が世界保健機関(WHO)が電子タバコの医療効果についてお墨付きを与えているかのような広告宣伝を行っていたため、一部報道によると、WHOは2008年9月にこれを否定し電子タバコによる吸引に対し疑問を呈し、一部の粗悪な製品には毒性のある物質が含まれている可能性もあると注意を呼びかける声明を出している[2]。いずれにしても、深刻なタバコ依存を改善する禁煙治療には禁煙外来などの専門医へ相談することが推奨される。
電子タバコが喫煙具だけではなく、ニコチン無添加の風味を楽しむカートリッジがあり各種菓子味など未成年者にとっても魅力的な風味があることも議論の対象となっており、専門筋は喫煙に向かわせるきっかけになると危惧している。
この問題に関連して、アメリカ食品医薬品局(FDA)は電子タバコに発がん性物質をはじめとする毒性物質が含まれることを報告書内で示している。また、WHOおよび米国疾病管理予防センター(CDC)は若年者の使用においてニコチン依存の増大と喫煙に向かわせるリスクを懸念していることが示されている[3]。この問題に際して、FDA筋は(中国産食品の安全性のような)品質管理の杜撰さからか来るものだとみている。この見解に関して米国肺協会(ALA)は支持を表明しており、FDAの承認が出ない限りはそれら製品を販売すべきではないという意見を示しており、また、FDA側でもこういった安全性の懸念から2009年7月時点ですでに50件が検査中を含め出荷を足止めさせていると発表している。(WIKIPEDIAによる)

4ジエチレングリコールの毒性
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/biology/chptr_1/1-1-3/di_et_gl.htm

5グリコール中毒
 グリコールによる中毒のこと。グリコールにはエチレングリコール,ジエチレングリコールなどがある。エチレングリコールは無色,無臭,甘みのある液体で不凍液,潤滑剤,界面活性剤に用いられる。毒性機序は直接作用と代謝物であるグリコール酸,シュウ酸などの毒性によるもので,成人の最小致死量は1.4mL/kgである。服毒時の症状は悪心,嘔吐,傾眠,昏睡,痙攣,アシドーシス,低カルシウム血症,乏尿,無尿を来す。治療は胃洗浄,下剤・吸着剤投与,強制利尿,エタノール療法,アルカリ療法,透析などを行う。一方,ジエチレングリコールは潤滑剤,ブレーキ油配合剤などに用いられる。成人の推定経口致死量は20?240mLである。中毒症状はエチレングリコール中毒に似ているが腎障害が強く肝障害も来す。しかし生体内では代謝されずアシドーシスは稀である。治療もエチレングリコール中毒と同様だがエタノール療法は無効である。(医学書院 医学大辞典 CD-ROM (C)2003 IGAKU-SHOIN Tokyo)

6電子タバコからジエチレングリコールなどを検出(FDA)
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/chemical/09072301.htm