2012年 8月15日

環境フォト・コンテストに関する要望

2012年8月15日 PDF版
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環境フォト・コンテストに関する要望





環境大臣
 細野 豪志 様
特定非営利法人 日本禁煙学会
理事長 作田 学
環境フォト・コンテストに関する要望

  我々は環境省に対し、下記を要望します。

  1. 環境フォト・コンテストの協賛企業から日本たばこ産業を排除してください。

  2. タバコ規制枠組条約を広く周知し、行政府としての役割を果たしてください。


 私たちは、広く国民を対象に、タバコ規制、Tobacco Control に必要な科学的知識・技術の発展と普及に資することで、社会全体としての健康保持に寄与することをめざして取り組んでいる団体です。

 タバコは世界的に見ても、2005年に発効したFCTC(タバコ規制枠組条約;日本は2004年6月批准)で規制強化が進み、タバコ企業による広告はタバコの販売促進につながることから、社会貢献活動を含めてそれが禁じられております。FCTC第13条には「広告・宣伝の禁止」とあり、全般的な義務として、タバコの広告・販売促進・スポンサーシップの制限・禁止をうたっています。そして、タバコの広告、販売促進及び後援について、五年以内(2010年2月27日まで)に、包括的な禁止を行うことを条約本文で規定しています(文献1、2)。

 また、FCTC第13条のガイドラインでは、
 タバコ宣伝、販売促進、スポンサー行為の包括的禁止には以下の事項を含む:
  • すべての宣伝、販売促進、ならびにスポンサー行為。例外は認めない。
  • 直接的ならびに間接的な宣伝、販売促進、スポンサー活動。
  • 販売促進を目的とした行為、ならびに販売促進効果をもたらすあるいはそのおそれのある行為。
  • タバコ製品ならびにタバコ使用行為の奨励。
  • 営利を目的とした情報伝達ならびに奨励、活動。
  • あらゆるイベント、活動あるいは個人に対するあらゆる形の寄贈。
  • タバコブランドネームおよびタバコ産業そのものの売り込みのための宣伝ならびにプロモーション活動。
  • 従来からある情報提供手段(印刷・テレビ・ラジオ)およびインターネット、携帯電話、映画を含むあらゆる形のニューテクノロジーを用いた情報提供手段。
と述べています。http://www.nosmoke55.jp/data/cop3_13_200811.pdf

 ガイドラインは法的拘束力のない法的文書ですが、コンセンサス方式により採択された、an instrument related to the treaty です。ということは「FCTC条約は、FCTC ガイドラインにより、かつその趣旨及び目的に照らして、与えられる用語の通常の意味に従い、誠実に解釈し、履行するもの」であり、これを実行しないことはウィーン条約31条ならびに日本国憲法98条違反となります。
 そのような国際情勢の中で、過日、環境省が後援している環境フォト・コンテストの協賛企業に日本たばこ産業株式会社が挙がっていることを認めました。
 http://www.president.co.jp/photocon/corporate2013/

 そこで我々は環境省に対し、下記を要望します。

(1)環境フォト・コンテストの協賛企業から日本たばこ産業を排除してください。
(2)タバコ規制枠組条約を広く周知し、行政府としての役割を果たしてください。
以上
文献1 FCTCポケットブック http://www.nosmoke55.jp/action/fctcpocketbook.html
文献2 FCTC(外務省訳) http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/treaty159_17.html